手首を掴まれそのままグイッと引かれると、あっという間に掘田くんたち集団との距離が離れて行った。



「いってらっしゃーい」なんて手を振ってくる掘田くんは、この状況が楽しみで毎回わざわざ私に話しかけてくるんだよね、知ってるよ。




結局いつもと同じ状況になって小さくため息をついた私は、そのまま大人しく飛鳥くんに連行された。





「……んもうっ、飛鳥くん!これ、やめてっていつも言ってるよね?」


いつもと同じ空き教室に連れてこられると、私は早速掴まれた手首を見て彼に問いかけた。



どんなに振りほどこうとしても簡単に離してもらえないのはいつものことだから、無駄な抵抗はしない。