「お前から佐藤さんとったら、どうなるんだろうな」 「……考えるのすらバカバカしい」 どうなるもなにも、考えたくもない。 例えそんな状況になったとしてら、取り返すだけなんだろうけど。 諦めるなんて選択肢、俺にはないから。 「あーすか!」 「うわ、うるさいのが来た」 「一成、ひどくね!?」 そんな折、さっきまでいなかったはずの海が不意に視界に入ってきた。 おおかた、華原さんに会いにでも行ってたんだろうけど。 突然現れた海に、一成はあからさまに嫌な顔をする。けどそれもいつものこと。