「み、皆さまお揃いのようで」

「あははっ、可愛いなぁ、佐藤ちゃん。照れてる?」

「どこ見てそう思うの、掘田くん」



ミルクティー男子、掘田海(ほったかい)くんは、いつも真っ先に私を見つけては話しかけてきて、ケラケラと笑う。




「海ってば、またすぐそうやって調子に乗って」

「イテッ。暴力反対だぞ、一成」



茶髪男子、菊川一成(きくかわいっせい)くんは、そんな掘田くんの頭をペシッと叩いた。




そんな2人の絡みを見て、周りの女の子たちはキャッキャとはしゃぐ。


2人の顔が整っているから、なんでもアリだ。彼らが何をしようと、その行動にいちいち彼女たちは黄色い声を上げる。




「……じゃあ、私はこれで」


そんな彼女たちのように、私のテンションは簡単に上がるわけではなかった。



早く、早く離れなきゃ……っ。





その思いしか頭にはなくて、いっそのことこの売店順番待ちの人たちの中に紛れて逃げようかとも目論んだ、そのとき。