「俺、待っててって言わなかった?」

「それは……」

「わざわざそんな格好してまでここに来た意味はなに?」



根掘り葉掘り、飛鳥くんの口は止まらない。


いつもの拗ねてる、なんていう可愛い不機嫌のレベルじゃないことくらいは私でもわかった。



でも……。


「……なんで」



飛鳥くんに可愛いって思ってもらいたくて、会いたくて、ランチに行きたくて。


ただそれだけの、純粋な気持ちだったのに。



「なんで飛鳥くんにそんなこと言われなきゃいけないの……っ?」


思ってしまった気持ちを止めることなんてできず、私はそれを口にしてしまった。



少しでも可愛いって思ってもらいたくてしたことなのに、これじゃあ逆効果だ。こんなつもり、なかったのに。