言わなきゃ……一華ちゃんに。
そう思ってはいるものの、タイミングを見つけられない。
それから少しの時間、私は飛鳥くんが淹れてくれたカフェラテを飲みながら、お店でゆっくりと過ごした。
前来たときの賑やかさとは違う、1人ならではの落ち着いた時間。
だからこそ、改めてこのカフェの魅力に惹かれる。
固定のお客さんが多いのか、菊川くんも一華ちゃんも、店長である彼らのお母さんも、楽しそうにお客さんと世間話をする光景が何度もあった。
その会話の中に、たまに飛鳥くんも混じっている。
にこりとはしていないものの、飛鳥くんのその表情も穏やかだった。
そんな飛鳥くんを微笑ましく思いながらも、どこか遠くに感じてしまうのはどうしてだろう。



