「あっ、そうだ渡くん。裏の電球が切れてしまって……取り替えお願いしてもいいですか?いっくんいま手が離せないらしくて」
思い出したかのように、一華ちゃんの視線は飛鳥くんへと向く。
そういえばさっきの菊川くん、食材入った袋持ってたもんね。もしかして調理中なんだろうか。
「いいよ。裏のどこ?」
「こっちです」
電球の交換を男の人に頼むなんて、そんなのよくあること。ましてや、一華ちゃんに交換させるなんて私でもしないと思う。
わかってる。わかってる……んだけど。
「花帆、ゆっくりしてて」
「うん、ありがと」
一華ちゃんと並んで離れていく飛鳥くんに、どうしても胸がキューっとしてしまった。
飛鳥くんに視線を向ける一華ちゃんの頬がほんのりピンクに色付いていることにも、気付かないわけがない。



