飛鳥くんはクールなんかじゃない




ドキッとしてしまった。そんなことを思うなんて、最低なのはわかっている。




「なに?菊川さん」


当たり前のように、その声に返事をする飛鳥くんにモヤっとしてしまった。


その視線の先には……一華ちゃんがいる。




「あれっ、花帆ちゃん!来てくれたんですか?」


そんな私の黒い気持ちなんてつゆ知らず、一華ちゃんは私に気づくと、相変わらず可愛い笑顔を向けて喜んでくれた。



「久しぶり、一華ちゃん」

「お久しぶりです!ゆっくりしてってくださいね」


にこりと笑うその笑顔は、やっぱり菊川くんと雰囲気が似ている。


当たり前だけど一華ちゃんも同じチョコレート色のエプロンをつけていて、それがとってもよく似合っていた。