飛鳥くんはクールなんかじゃない




「やっぱり佐藤さんが絡むとわかりやすいなぁ、飛鳥は」


一部始終を見ていた菊川くんは、やっぱり楽しそうに笑っている。



「ごゆっくり」と言ってどこかへ行った菊川くんの代わりに、次はトレーを持った飛鳥くんが戻ってきた。



「はい」

「あ、ありがと……」



目の前に置かれたのは、綺麗な黄色のグラスに入ったアイスカフェラテ。


グラスにささっている赤いストローに口をつけると、甘いそれが一気に流れ込んできた。




「美味しいっ」

「気に入った?」

「うん!」


思わず口に出てしまうほどの美味しさに、単純な私はすっかりテンションが上がる。


甘党な私のために、きっと飛鳥くんが作ってくれたんだろう。普通の人にとってこれは甘すぎるくらいなはずだから。