飛鳥くんはクールなんかじゃない




「あ、飛鳥くん……」


なんとなーく気まずくて、頬がひきつる。




「なんでここにいんの?てかなにその格好。なんで一成と一緒?」

「はいはい飛鳥。いまお前仕事中な」


飛鳥くんにしては珍しく次々に出てくる言葉たち。菊川くんが制したけれど、飛鳥くんは私から目をそらそうとしない。



やっぱりマズかったのかな。勝手に来たこと。



「私、帰って……」


帰って待ってるね、と。そう言いきるよりも先に、飛鳥くんは言った。



たった一言。「待ってて」と。




「え……、いいの?」


絶対怒ってると思ったけれど、もしかしたらそうでもないのかもしれない。



「カフェオレ、砂糖たっぷりのでいい?」

「う、うんっ」


私を席に座らせた飛鳥くんは、私にそう聞くと裏へと入っていった。