「……なんでそんなに誘うの、菊川くん」
「だって佐藤さん、気にしてるみたいだから」
さも当たり前かのように言う菊川くんがもはや怖くなってきた。
この人、なんでこんなに見てるんだろう。
「素直になりなよ。会いたいんでしょ?」
まっすぐに見つめられて、誤魔化すことは不可能だと悟った。
その上声色がとっても優しいからか、素直にコクリと頷けてしまう。
あれだけ迷っていたはずなのに、もういまの私は飛鳥くんに会いに行くことしか考えられなかった。
あと数時間待てば会えるはずなのに、それすら待てないって……ちょっと重症かな。
こうして菊川くんに案内されるがまま、私は菊caféの目の前までやってきてしまった。



