飛鳥くんはクールなんかじゃない




予想していなかったことを投げかけられたものだから、思わず言葉を詰まらせてしまった。


そんな私の反応に、菊川くんは笑う。



……あぁ、もう。こんなにすぐにバレるだなんて。



「飛鳥の努力の賜物ってやつだ」

「え?」

「ううん、こっちの話。で?飛鳥に気持ち伝えたの?」


さも当たり前かのように聞いてくる菊川くんに、全力で首を横に振った。



き、気持ちなんて伝えられるわけない。


飛鳥くんは私のことを幼なじみにしか見ていない。……そりゃあ、自惚れたくなるようなこともあるけど。


それに……私はまだ一華ちゃんに伝えるべきことを言えていないから。