ダメだ……。飛鳥くんの破壊力がすごすぎるよ。


ただでさえ気持ちを自覚する前からドキドキさせられてたのに、自覚したら2割り増しだ。




「落ち着け……。落ち着くのよ、花帆」



大きく息を吸って、吐く。


それを何回か繰り返したあとで、私もようやくリビングへと降りた。




「えーっ!飛鳥くん、アルバイトするの?」

「まぁ、はい。この夏休みの間だけですけど」

「えぇ〜。飛鳥くんが働いたら、きっと女の子のお客さん増えるわね」



お母さんと飛鳥くんのその会話が聞こえたタイミングで、私はリビングのドアを開けた。



「あら、やっと来た。花帆遅いわよ」

「ごめん。……って、飛鳥くん。アルバイトするの?」


お母さんに遅いことを指摘されたことよりも、その前の2人の会話が気になった私は、飛鳥くんに尋ねる。