思わず目をギュッとつむった私は、完全に飛鳥くんに抱き締められるがままだった。


私が抵抗しないのがわかったのか、飛鳥くんも何も言わない。




……ドキ、ドキ。


静かな部屋の中で、心臓の音だけが聞こえているようだった。



……あれ、でもこれって……。



「飛鳥くんも、ドキドキしてるの……?」

「……っ、お前ストレートすぎ」


このドキドキは、私だけの音じゃない。



顔は見えないけれど、飛鳥くんの体温が少し上がった気がした。


飛鳥くんも、ドキドキしてくれてるんだ。それがなんだか嬉しくて、胸がキュンと音を立てる。