「海のときの一華ちゃんの反応見てたらわかるよ」とまで言われてしまい、もう私には逃げ道はなかった。
「一華ちゃんも好きなんだよね?渡くんのこと」
「……うん」
「一華ちゃんは知ってるの?花帆が渡くんを好きだってこと」
凛ちゃんの質問に、ブンブンと首を横に振る。
言うべきってことはわかっているんだけど、どうも言い出せずにいまもズルズルと引きずっている。
「ちゃんと話さなきゃだね。一華ちゃんのためにも、花帆自身のためにも」
凛ちゃんの言葉は、いつも私の背中を押してくれる。
コクリと頷くと、ポンと1回だけ凛ちゃんは私の肩を叩いてくれた。