思い切って聞いてみると、凛ちゃんは少し恥ずかしそうに話してくれた。



「……別に、何があったってわけじゃないんだけどね。花帆たちがいなくなったあとも言い争ってはいたんだけど」

「うんうん」

「でも、なんだかんだですごく心配してくれてたみたいで、パーカーまで貸してくれてさ。……チャラいし、誰にでも優しい人だってわかってるんだけど、あーマズいなって」



着ている白いパーカーをギュッと握る凛ちゃんは、女の私から見てもとっても可愛い。


華奢な凛ちゃんにしては少し大きいと思っていたそのパーカーは、掘田くんのだったんだね。




「今朝から一華ちゃんの隣にずっといる海くんにイライラしてたのも……ヤキモチ、妬いてただけだと思う」



「あ〜、もう重症」だなんて言って、凛ちゃんは顔を覆う。


凛ちゃんのこんな姿を見る日が来るだなんて思ってもみなかった。そりゃあ、コイバナとかしてみたいなとは思ってたけど。