春休みのある日、七宝(なほ)は喫茶店で陽花(はるか)を待っていた。

陽花と海渡(かいと)が付き合って、七宝は高校にあまり行かなくなった。
仲の良い2人を見ているのが辛かったから…。

「お待たせ~!」

陽花がやって来た。
久しぶりに見る陽花は、痩せて綺麗になっていた。

「ご注文は何になさいますか?」

「あたし、ウーロン茶で。
七宝ちゃんは?」

「オレンジジュース」

飲む物まで変わって、七宝は恋の力ってすごいなと改めて思った。

「七宝ちゃんの好きな人って海渡?」

「そうだよ」

「やっぱりね。
だってあたしたちが付き合ってから、学校に来なくなったもんね」

陽花にはバレていた。
恥ずかしさから顔を上げないでいると、

「海渡の事はもう諦めてくれないかな」

陽花は言った。