電車待ってたら、構内アナウンスで2列になってお待ち下さいって言ったから、私の前空いてたから1歩前へ出たの。

おじさんと並ぶ格好になったんだけど、そしたら結翔が低い声で

「おい」

と繋いでた手を引っ張ったの。

「ん?」

「近い、近すぎる」

って俯きながら言った。

「誰も凛彩に近づかないで」

「女の人だったらいいの?」

「女の人も嫌だ。俺以外近づかないで」

「俺彼女にこんなこと言ったことない…」

ってばつの悪そうな顔してた。

そんなこと考えてくれてるのが嬉しかった。