「ごめんね、ごめんね」

としか言えなかった。

「帰ろう」

優しく肩を抱いてくれたけど

「ごめんね、結翔のうちには帰れない…」

離れようとした私に

「なんでそんなこと言うの?」

「このまま凛彩が居なくなっちゃったら俺死んじゃうかもしれない」

「そんなことないよ。もう本当に自分が嫌なの。大嫌いなの。こんな私のこと好きでいてなんて言える訳ないから…」

「そんなこと言わないで…凛彩が何をしても俺は大好きだから。ごめんね、凛彩を病ませる俺が悪い…」

「俺もっとしっかりする。早く大人になる。凛彩がいつも安心できるように傍にいる。だから俺から離れないで…お願い…」

さらに抱きしめてそう言った。

「なんでそんな優しいの?私のこと嫌いになってもいいからね」

結翔が体を離して私の目を見て

「これで嫌いになる訳でもないし、別れたいとも思わない。けど、傷痕が怖くて心配…」

って泣きそうな顔して言った。

この人を苦しめてるのは私自身だなぁって思うとすごく申し訳なかった。

もういい大人なのに、17歳にこんな思いさせてるんだなぁって考えたら本当に情けなかった。

「寒いから帰ろう」

って肩を抱いてくれて家へ帰った。

「お風呂でゆっくり浸かっておいで」

ってまたお湯を張ってくれた。

自分の方が冷えてるはずなのに、ほんとどこまで優しいんだこの人は…