「……結局のところ」

教室の中央でさえずる女子生徒たちを遠目に見ながら、天は低い声で呟く。

傍らの机には変装をした愛と、足立がいた。

「俺と社長を襲った男の動機はなんだったんだ」

「この子の傍に君がいることに耐えられなかったんでしょ。殺意が芽生えるほどにね」

「なんで社長も？」

「ソラとアイ、ダブル主演の映画の仕事を取った恨みと、一世代前の妬み、てところかな」

すらすら答えるのは足立の方で、どうしておまえが知っている、とは思うものの、関係者全員が彼女に物申さないので、天も黙っている。

「映画のことは業界人だから耳に入ったとして……、一世代前の妬み？ ってなんだ？」

これには足立は答えなかった。

しばらくしてから、ゆっくりと口を開いたのは愛である。