「千代ちゃん、貰ってあげたら?」
隣にいた陽(はる)くんは穏やかにそう言った。
「でも貰ってもゴミになるよ」
「貰わなくてもゴミになっちゃうんでしょう?」
ぱっと顔を上げて陽くんがお兄さんに聞く。
お兄さんはそうだなぁ、と頭をかいた。
「残ったのは全部しぼんじゃう運命だから」
お兄さんの後ろには、まだふわりふわりと風に揺れる風船が沢山残っている。
「…わかった。1つだけ」
そう小さく呟くと、お兄さんは口が顔から飛び出るんじゃないかと思うくらい大きく口を開けて笑った。
「お姉ちゃん、いい兄ちゃん彼氏にしたな!その風船みたくしっかり握っとけよー。男はすぐ飛んでいくからな」
ガハハ、とお兄さんはまた笑う。
結局、小さな赤い風船を手にその場を離れた。
お兄さんは私達が見えなくなるまで、嬉しそうに手を振っていた。
隣にいた陽(はる)くんは穏やかにそう言った。
「でも貰ってもゴミになるよ」
「貰わなくてもゴミになっちゃうんでしょう?」
ぱっと顔を上げて陽くんがお兄さんに聞く。
お兄さんはそうだなぁ、と頭をかいた。
「残ったのは全部しぼんじゃう運命だから」
お兄さんの後ろには、まだふわりふわりと風に揺れる風船が沢山残っている。
「…わかった。1つだけ」
そう小さく呟くと、お兄さんは口が顔から飛び出るんじゃないかと思うくらい大きく口を開けて笑った。
「お姉ちゃん、いい兄ちゃん彼氏にしたな!その風船みたくしっかり握っとけよー。男はすぐ飛んでいくからな」
ガハハ、とお兄さんはまた笑う。
結局、小さな赤い風船を手にその場を離れた。
お兄さんは私達が見えなくなるまで、嬉しそうに手を振っていた。