「お姉ちゃんも1つどう?」
日に焼けた、人の良さそうなお兄さんが風船を片手に話しかけてきた時、私は思わず目を丸くした。
何かの宣伝で配布させられているのか、風船は白い文字で大きく『たこ焼き店坂下』とプリントされていた。
「私?」
「そうそう。お姉ちゃん可愛いからサービス!…っていうのは冗談で、あ、可愛いはマジね。これ全部配らないと俺帰れないの。ね!人助けだと思って…!」
お兄さんは片目を瞑って両手を顔の前で合わせる。
どうしよう、と私は密かに頭を抱えた。
このまま断ってしまうのは、ものすごく感じが悪いのではないか。
というよりこの場合、断るのは人としてどうなのだろう。
日に焼けた、人の良さそうなお兄さんが風船を片手に話しかけてきた時、私は思わず目を丸くした。
何かの宣伝で配布させられているのか、風船は白い文字で大きく『たこ焼き店坂下』とプリントされていた。
「私?」
「そうそう。お姉ちゃん可愛いからサービス!…っていうのは冗談で、あ、可愛いはマジね。これ全部配らないと俺帰れないの。ね!人助けだと思って…!」
お兄さんは片目を瞑って両手を顔の前で合わせる。
どうしよう、と私は密かに頭を抱えた。
このまま断ってしまうのは、ものすごく感じが悪いのではないか。
というよりこの場合、断るのは人としてどうなのだろう。