「蒼海、大丈夫…?」
あたし達は新館の普段はあまり使われてないトイレにいた。
泣きじゃくるあたしを心配して、鞠が声を掛けてくれる。
「…っく、だ…大丈夫。ごめんね…鞠」
途切れなながら、なかなか声にする事が出来ない。
大丈夫…と言いながらも涙が止まらないあたし。鞠ごめん。
でも今はちょっとムリ。だって、優に完全に否定された。
好みだけど、話合うけど…ムリ。
あたしはどう努力しても、スザンヌ本人にはなれない。
スザンヌに似せる事は出来ても、本人になれる事はムリ。
どう努力しても叶わない恋がある…初めて知った。

