『ニュース775担当カメラマン亀羅永吉』亀羅は名刺にうっとりみとれた。携帯ラジオは3種類,ちゃんと装備だ。ライトの種類はマジックライト,ボールペンに,キーホルダー,修理が趣味じゃなきゃ,ちょっと持たない数さ。ライターもその上8種類,本をくり抜いて中にマッチを装備さ。人間は鞄を作れれば,十分に副業だし,ジェームズ・ボンドにもなれる。あとは…妻だ。
先輩の鞄の修理まで預かってしまった。リリリンリリリ!電話が鳴る。『正明さんお亡くなりです。』何?鞄の持ち主が?困った,大切そうなノートを破れた溝に突っ込んだまま,よこしたくせに。ふと,メガネが濡れる。ちらりとノートを読む。『サリンの入った梅干,かろうじて死なない。持ち運び,倒れそうだが可能。』どういう意味だ?サリンで死んだのか?
戦後永遠の薬を盗む戦争を起こした宮沢賢治は,サッカリンを食べれると誤診したことについて,責任を問われ,サリンを撒いといてキスをし,人工呼吸だと偽った。