『ようやくお目覚めか?』

声が聞こえて何もないはずの部屋の方へ目を向ける。

『いきなり訪ねてしまって申し訳ないのぅ』

目をやった先には一つの光があった。

どうやら声の主はあの光のようだ。

『実はお主、死んでしまったのだよ』

部屋に浮かぶその光は落ち着きはらった声で僕に死を告げた。


『死』


時には人々から愛する者を奪い、

時には人々を苦しみから解放する。


『死』


それは僕が長い間待ち望んでいたもの。