……しかし、星影学園は別の意味で危険なのだ。



星影学園には東日本最大の二大暴走族、飛翔(ひしょう)と翡翠(ひすい)がいる。


この二つの暴走族は互いに仲が良く同盟を組んでいて、その強さも互角だと言われている。


なんでも飛翔と翡翠を作った初代総長達は良き相棒で良きライバルだったとか。


ま、今まで一度も正式に戦ったことがないらしいからどちらが上というのはないらしいけど。




……そう、ここまでもまだなんでもない。


危険なのは、私達が警戒しているのは、この二つの暴走族のバックに、日本最大の組にして東日本一帯を支配している『鳴海(なるみ)組』がついていること。



つまり、私達の“存在”を知っている“あの人達”に近すぎるんだ。


さらに最悪なのは星影学園の先生には何人か学生時代に飛翔や翡翠に所属していた人がいて、“あの人達”とも顔見知りだ。




理事長の芹沢 千歳(せりざわ ちとせ)は顔見知りなんてものじゃない。

私達の存在を知っているうちの一人だ。


変装は十分にしているが、もし私達の名前を知っていれば感づかれてしまうかもしれない。