夜空side


「なんで学校なんか……」


そう呟いたふーくんの言葉にこの場にいた全員が心の中で激しく同意しただろう。


しかし、どう嘆いても現実は変わらない。


私達が五人だけで大阪から東京に引っ越す条件としてなつと律から出された条件は二つ。


一つ目があずと愛が用意した部屋に住むこと。


あずは本名日向 梓(ひゅうが あずさ)。
なつこと棗の弟。

一方の愛は律こと律希の弟で、遠野 愛希(とおの あいき)。




生まれてから17年近くずっとそばで見守ってくれたなつと律とは違い、あずと愛とは数回しか会ったことはないが、二人の弟ということで一応信頼している。


雰囲気も兄弟で似通っているところが多いしね。




二つ目は学校、それも星影(ほしかげ)学園に通うこと。


ただでさえ学校という場所が嫌いで、通わない気満々だったのに、よりにもよって星影学園というのも気に入らなかった。


不良校という意味ではまあ良かったと言えよう。


普通の私立や公立などに通うものならなんの関係もない一般人をこれから私達がやろうとしていることに巻き込んでしまう危険性が高いから。