……が。

どの道“あの子達”が“希少価値”であることに変わりはない。




やがて泣き止んだ女性はポツリと一言。




「…棗(なつめ)、律希(りつき)。あの子達をどうかよろしくね……っ」






声こそ小さく弱々しかったが、心からあの子達のことを想っているのだということが伝わるのには十分な言葉だった───