闇夜を照らす月(ルナ)


こういうことはよくあるので驚きはしない。


けれど、しーにぃが私と同じことを考えていたということはやっぱり……。




私がそこまで考えた時、コンコンと理事長室をノックする音と同時に失礼しますという声が聞こえて、扉から一人の黒髪で眼鏡をかけたいかにも頭の良さそうな男の人が入ってきた。


「お、来たか海里(かいり)。こっちの五人が転校生だ」


……え、海里って。




「初めまして。2ーAを担任しています、杉並(すぎなみ) 海里と申します。これからよろしくお願いしますね」

にこりと人当たりの良さそうな顔で微笑む、杉並 海里と名乗ったこの男。


ここは普通、担任が優しそうな先生で良かったと安堵すべきところなのだろうけれど、私を含め、全員がその全く逆の感情を抱いただろう。




杉並 海里

理事長より三つ年下の今年で34。


この見た目からはあまり想像はつかないが、飛翔の先代。


しかも、あの人達の代の副総長だ───




つまり、私達の嫌な予感は当たったというわけ。