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…入学式の時だけじゃなかったのか。



渋谷茉白ちょーぜつピンチ。



今日は高校2年生としての初めの日なのだけれど
自分のクラスがわかりません。



クラス表が配布されるのかと思ってたのに、まさか張り出しされるとは、、、。




………見えない。




困ったなあ、二重で見えないよ。



決して身長がすごく低いわけではないけど、前に人が多すぎて近寄れないし



弱視だからぼんやりしてて離れたところだと字がわからない。



どうしよう。



人が少なくなるのを待つしかないよね…。



「ねえ、きみ。名前なんていうの?」



まさかだけど、この人わたしに話しかけてる!?



「ねえ、僕きみに話しかけてるんだけど。」



ぽんっと肩に手を置かれ、そう言われる。



「え、あの………?」



久々に名前を聞かれた気がする。



こんな容姿をしてるもんだから入学式の日から注目浴びまくっててめちゃめちゃ目立ってたし



両親が学校側に事情を全て話しちゃったもんだから、担任には


『渋谷はアルビノだから、みんなサポートしてやってくれ』


なんてクラスで言われて、あっという間に話が広がっていってたから知らない人がいるなんて思わなかった。



「ボード見えないんでしょ?だから名前。」



「し、しぶたに……ましろです。」