キミ色に染めて




そんなことを思いながら授業の準備をして気づいたことがある。



…眼鏡がない。



と言っても、弱視は矯正できるものじゃないから普通の眼鏡とは少し違う。



簡単に言うとルーペみたいなものだ。



だから眼鏡をかけたからといってはっきり見えるわけではなく、ぼやけてるのが拡大されてその形状からなんとなくで読み取っていくのだ。



でも無いとそれすらもできなくて全く何が書かれているのか判別ができない。



いくら鞄を探しても見つかるわけもなく、ただ時間だけが過ぎていく。



家に忘れてきちゃったんだ。



…どうしよう。困った。



先生に言って写真撮らせて貰うか、、



いや、それだと授業に追いつけなくなるし、わたしが撮っている間は一瞬だとしても授業が一旦止まってしまう。



隣の人に見せてもらう?



いや、それも隣の人に迷惑かけてしまう。




ガタッ



「ねえ、小沢さん。今日一日だけ僕と席変わってくれない?」



え?



急に須王くんがわたしの隣の席と変わろうとしている。


…何を考えているの?



「いいですけど。」



「ん、ありがとう。僕から先生に言っとくよ。」



そう言って須王くんは本当に先生の所へ行き、何かを話してわたしの隣に戻ってきた。



「あの、須王くん…?」



「眼鏡忘れちゃったんでしょ。僕の見て書きなよ。」



え、気づいてたの…?