「二階堂は、いい目をしている。
まだ、それに気づけないだけだ。気づいたら
お前の人世は、また違うものになるだろうな。
まぁ、期待をしているぞ」

そう言うと課長は、私の頭をポンッと撫でると
給湯室から出て行ってしまった。
また、撫でられちゃった……。
期待をしていると言われてしまった……課長に。
どうしよう。

課長にそう言われて凄く嬉しかった。
心臓が飛び出しそうになるぐらいに
激しく高鳴っていた。私は、自覚する。
やっぱり……私は、課長のことが好きなのだと。
期待に応えたい。
まだ、どうしたらいいのか分からないけど……。

午後からの仕事は、嬉しくて仕事も捗った。
しかし、浮かれて肝心なことを忘れていた。
まだ合コンを断っていなかったことに。

よし。予定時間に終わったし後は、
片付けて帰るだけね。
荷物を片付けていると紺野さんが私のところに来た。

「さぁ、仕事も終わったし二階堂さん。
早速行きましょう」

「えっ?何処に……?」

「何処って合コンによ!
もう。何、寝ぼけたことを言っているのよ?
二階堂さんったら」

呆れたように言われる。
私は、ハッと合コンの事を思い出した。
あ、断るのを忘れていたわ!?

課長に言われた通りに断ろうと思っていたのに
浮かれてすっかりと忘れていた。
どうしよう……。

「あの……すみませんが。
合コンのことなのですが」

「あ、早く行かないと。間に合わなくなっちゃう。
ほら、二階堂さん。急いで!!」

断ろうとしているのに紺野さんは、私の手を引いて
強引に連れて行こうとした。
えぇっ!?

「えっと……ちょっと待って下さい」

慌てて止めようとするのだが、意外にも
紺野さんの力は強い。
しかも他の女子社員の子にも取り押さえられて
あっという間に合コンの席まで連れて行かれてしまった。