空の彼方の君に願う。




「そうなんだ...学校は大阪に?」




「うん、そうだよ」




そこで俺はこう聞いた




「なんで、大阪に引っ越したの?」




「...」




「別に言いたくなかったらいいんだけど」




「そんなことはないんだけどね、なんか、気分転換っていうか」





「名古屋にいても歩翔のおじさんとおばさんに迷惑かけるだけだし、いっそのこと遠くで一人暮らししようかなって思って」




「そっか...」





「歩翔さ、めっちゃいい人でしょ?笑」





「そりゃもう俺らの中で1番気が強いやつだったよな」




「歩翔はね、両親が死んでからずっと私のために年齢誤魔化してまでバイトも頑張ってくれててね、私のことは可愛がってくれるし、本当のお兄ちゃんみたいだったんだよ」




「あ、確か血は繋がってないんだよね」




「うん、初めてあった時はね、私が緊張してお母さんの背中に隠れたりしてたんだけど、めっちゃ一生懸命しゃべってくれるし、だから私もすぐに心開けたんだよ」




「なんか歩翔らしいな」