「あのね、あやちゃん。琴音ね、彼氏が出来たの」












「は?」
















ヤバ、すっごい低い声出ちゃった。
















「琴音、相手はだーれ?」
















そう聞くと、
















「今泉 秋(いまいずみ しゅう)」















渋々と答えてくれた。

















今泉 秋。族に所属なし、チャラチャラした感じもなし。















だけど一応、
琴音には言わないで彼の教室にやってきた。
















「ねぇ、今泉君に用あるんだけど」
















低い声で言うと、男子とふざけていた今泉君が
恐る恐る前に出て来た。
















「はい、僕ですが…?」

















今泉君の声はか細くて、
吠えたらすぐに逃げそうなタイプだ。