私は深呼吸する。
真月が大切なことを伝えてくれるなら、私も答えなくちゃいけない。

随分大きくなったお腹に手をやる。

「……この子はね、“空”って呼んでいるの。太陽と月はいつだって空で繋がっているんだなぁって思ったら、他に名前が思いつかなかった」
「じゃあ、やっぱり、俺の子なんだな?」

真月の目を見て深く頷く。

「妊娠が分かったとき、真月と宮端さんのことを誤解して。でも2人の幸せはちゃんと願っていたから、妊娠したこと言えなかったの」
「分かってる。朝陽がずっと俺の幸せを祈ってくれていたこと」

真月がお腹をさすっていない方の手を握ってくれた。

「半分勢いで仕事辞めちゃって、どうしようかなってときに、真紀子さんに会ったの。事情を知ってそれでここで働かないかって言ってくれたの。迷惑かけるから躊躇したんだけど、真紀子さんがね、孫を抱かして欲しいって言ってくれて。心くん、一人っ子だったでしょう?だから孫を諦めていたんだって」

日に日に大きくなるお腹を撫でてくれる真紀子さん。康晴さんも時々撫でていい?と私に伺いながらお腹をさすってくれる。

子どもの誕生を誰よりも楽しみにしてくれているのが分かる。