「好きだよ姫良、誰よりも愛しく美しいと名ばかりの女より価値がある。君は一体なんなのだろう。」
「起きてそうそう何なんですかね…」
「姫良の毎日の最初は俺がいい、そういう事だよ」
勿論、最後も俺がいいな。と彼の中では決まりきっていることを言う彼にはほとほと呆れるものだ。

「姫良の存在は世界に感謝すべきものだよ、人を愛することを知らなかった俺に愛するということを教えてくれたのだからね。」
「成程、じゃあ人を愛さなかったわけじゃない私には君の存在は必要ないんですね。」
「姫良から愛された人間なんて最も必要のない生ゴミだよ。誰かな?」


「君が今殺した人ですよ」


真っ赤な血を纒うこの人は血がついてもなお綺麗だ、例えそれが私の愛する人の血でも。


「あァ泣かないで姫良、泣いてる君も美しいけどやっぱり笑って欲しいな、ほら、あの時のように笑ってみせて、青薔薇のような幻想的な笑顔をみせてよ、姫良。」
「泣いてませんよ」
「いンや、泣いてるよ。こんなにも悲しみが溢れてる。」
勿体ないと彼は私の頬を舐め、甘いなぁ、と笑う彼に本当に泣いていたのかとビックリする。
「泣いてないって、言ってるのに…」
自分の感情でさえもコントロール出来ないのか、私は。