今から行われるラウンドは、ここまで勝ち残った24人を6人ずつ、4グループに分けて行われる。各グループの上位2人が勝ち抜けとなり、次のラウンドに進むことができる。また、このラウンドでは正解した際にさいころを振ることができ、出目を当てることができれば3倍のポイントが獲得できる。ここまで残ったプレイヤーは強豪ばかりで、普通に戦っても勝ち目はないため、運の要素が含まれたルールはプラスにはたらくと、タクトは思った。
「これまでに西ドイツの都市で開催されたオリンピックといえば、ミュンヘン、ベルリン、あとひとつはどこでしょう?」
タクトは迷わずボタンを押す。
ほかの人たちは、答えが分かっていないようだ。ミュンヘン、ベルリンと聞いて夏季オリンピックを連想したであろう。しかし、それでは正解にたどり着かない。冬季オリンピックは盲点となりやすいのだが、カーリングやスピードスケートに興味があるタクトにとって、ここにたどり着くことは容易であった。
「ガルミッシュパリテンキュルヘン」
まるで早口言葉のような地名だ。タクトは、我ながら流ちょうに答えられたものだと感心する。
……ピンポンピンポン
先輩はこんなことも知っているのか、とサユリは衝撃を受ける。
「さいころの数字を予想してください」
司会の人から聞かれる。一瞬迷ったのち、3にします、と答える。
問読みの人がさいころを転がす。出た目はまさしく3であった。一気に3ポイントを獲得する。その後、さいころの目こそ当たらなかったものの、着実に正解を重ねていき、グループ2位で勝ち抜けた。
「準決勝ステージまで進むなんてすごいです!」
サユリは、戻ってきたタクトに声をかけた。
「さいころの目も味方したよ」
興奮を隠せない様子でまくしたてる。
準決勝では、これまでよりもはるかに難易度が高い問題が出題された。タクトはほとんど答えることができなかった。
席に戻ると、古葉さんが「素晴らしいです、ベストエイト」と声をかけてくれた。「まったく歯が立たなかったよ」と答える。
決勝が終了したので、帰り支度をしていると「夜ごはん、一緒に食べませんか?」と古葉さんが誘ってきた。これまでの遠慮した様子はみじんも感じられなかった。
「何が食べたい?」
「パスタが食べたいです」
2人はチェーンのパスタ屋に入った。
「これまでに西ドイツの都市で開催されたオリンピックといえば、ミュンヘン、ベルリン、あとひとつはどこでしょう?」
タクトは迷わずボタンを押す。
ほかの人たちは、答えが分かっていないようだ。ミュンヘン、ベルリンと聞いて夏季オリンピックを連想したであろう。しかし、それでは正解にたどり着かない。冬季オリンピックは盲点となりやすいのだが、カーリングやスピードスケートに興味があるタクトにとって、ここにたどり着くことは容易であった。
「ガルミッシュパリテンキュルヘン」
まるで早口言葉のような地名だ。タクトは、我ながら流ちょうに答えられたものだと感心する。
……ピンポンピンポン
先輩はこんなことも知っているのか、とサユリは衝撃を受ける。
「さいころの数字を予想してください」
司会の人から聞かれる。一瞬迷ったのち、3にします、と答える。
問読みの人がさいころを転がす。出た目はまさしく3であった。一気に3ポイントを獲得する。その後、さいころの目こそ当たらなかったものの、着実に正解を重ねていき、グループ2位で勝ち抜けた。
「準決勝ステージまで進むなんてすごいです!」
サユリは、戻ってきたタクトに声をかけた。
「さいころの目も味方したよ」
興奮を隠せない様子でまくしたてる。
準決勝では、これまでよりもはるかに難易度が高い問題が出題された。タクトはほとんど答えることができなかった。
席に戻ると、古葉さんが「素晴らしいです、ベストエイト」と声をかけてくれた。「まったく歯が立たなかったよ」と答える。
決勝が終了したので、帰り支度をしていると「夜ごはん、一緒に食べませんか?」と古葉さんが誘ってきた。これまでの遠慮した様子はみじんも感じられなかった。
「何が食べたい?」
「パスタが食べたいです」
2人はチェーンのパスタ屋に入った。

