「わかります。頭が回らないし、途中でお腹は空くし、いいことがないですよね。朝のご飯とお味噌汁は絶対に欠かせません」
力説するとクスッと笑われた。
「昼食もいつも美味しそうに食べているよな」
「え?」
「たまに院内のレストランにいるだろ? 見かけるんだ、時々ね」
「そ、そうなんですか」
「気持ちいいくらい豪快だよな」
食いしん坊だと言われているようで、少し気恥ずかしい。
サラダのレタスをモソモソほお張っていると、ふわりと優しい笑みを向けられた。
「遠慮して食べないよりも、俺は豪快に食べる柚が好きだけどな」
思わずレタスを吹き出しそうになった。油断するとすぐにこれだから困る。まさか、朝からこんなことを言われるとは思っていなかった。
終始ニコニコと嬉しそうに笑っていて、言い返す気力も失せる。
「朝、目が覚めて柚が目の前にいる。こうして一緒に朝食まで食べられるなんて、最高の幸せだ」
「そんなこと、言わないでください」
どういう顔をすればいいのかわからなくなる。
「言わなきゃわかってもらえないだろ? ただでさえ俺は、柚に信用されていないからな」
「そ、それは」