溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜


「柚」

そこで修さんにつかまり、今は使用されていないミーティングルームへと腕を引かれた。

「ど、どうしたんですか?」

「今日まで当直続きでまともに帰れなかったから、電池切れ」

そう言いながらすっぽりと修さんの腕に覆われた。

「ここ、病院ですよ」

「いいだろ、触りたいんだから」

「なっ」

「顔上げて」

低く艷やかな声に背筋がゾクゾクする。ダメ、そう思うのに抗えなくて、思わず顔を上げてしまった。

そこにはニヤリと意地悪に笑う修さんの勝ち誇ったような顔がある。

「まだプロポーズの返事聞いてないんだけど」

「え! い、言いましたよ。ホテルで」

「あれは直接的な返事じゃないだろ」

「……さい」

恥ずかしくてつい声が小さくなってしまう。だって仕方がない。こんなの初めての経験なんだから。

「なんて言ったんだ?」

「わ、私と結婚してくださいっ!」

ああ、もう。恥ずかしくて顔から火が出そう。女の私からこんなことを言うなんて。修さんはおかしそうに笑っているし、穴があったら入りたい。

「逆プロポーズか。悪くないな」

「意地悪……」

「はは、冗談だ。柚は本当にからかいがいがあるよ」

「もう! 私、忙しいので仕事に戻ります」