「ダメだ、柚はもう俺のものだからな。外すことは許さない」
「そ、そんな」
「これは俺のわがままだ。素直に聞いておけ」
有無を言わさない瞳に抗うことができなくて、私は遠慮がちに頷いた。せめて、このリングが似合う素敵な女性になろう。
修さんの隣に並んでも恥ずかしくないような、素敵な女性に。固くそう心に誓って、改めてエンゲージリングをまじまじと見つめる。
「本当に素敵……」
「それをつけている柚のほうがもっと素敵だ」
「も、もう! なにを言うんですか」
「そのわりには顔がゆるみすぎだぞ」
照れくさくてついそんなふうに言い返してしまったけれど、修さんに笑われてしまった。
だって仕方がない、とても幸せなんだもん。
「柚の両親にきちんと挨拶がしたい」
「いいですよ、そんなの。今さらじゃないですか」
「ダメだ、こういうのは早いほうがいいんだ」
強引でこうと言ったら譲らない修さんの押しに負けて、ふたりでお店のほうへと移動する。



