「こ、こんなの受け取れません……」
修さんの気持ちは嬉しい。だって、私も同じ気持ちなのだから。
「気に入らない? だったら、また今度選び直しに行こう」
「そ、そういうわけではなくて、めちゃくちゃ素敵なエンゲージリングなんですけど」
ひと目見て、気に入ったのはたしかだけれど、私には返せるものがなにもない。こんな高価なもの、受け取れないよ。
「わ、私も、修さんのことが好きです。でも、修さんに私は不釣り合いすぎて……童顔だし、背も低いし、きれいじゃないし」
自分でもなにが言いたいのかわからなかった。
「私は、そんなに素敵なエンゲージリングが似合う女性じゃないですっ」
そう、それが言いたかった。
これが似合う女性は、美人でおしとやかで、修さんの隣で優しく微笑んでいるようなエレガントかつエキゾチックな女性だ。
リングと修さんは素敵なのに、小汚い私の部屋といういただけないこのシチュエーションはいったいなに?
「今、なんて?」
「だ、だから、私は童顔だし、背も低いし」
何度も言わせないでよ、これほど虚しいことはないのだから。
「いや、ちがう。もっと前」
「修さんのことが好きです……」



