溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜


その拍子にちょうど角に当たったこともあり「いたっ」と小さく声がもれる。

「内ポケットになにか入ってます?」

「ああ、本来の目的を忘れていた」

え?

修さんの腕が名残り惜しそうに私から離れると、その手はそのまま内ポケットへ。そして、そこから小さな箱を取り出した。

ジュエリーケースのように見えるけれど、ま、まさか、ね。

目が離せなくてまじまじと凝視する。すると修さんは私に見せるように箱を開けた。

「俺と結婚してくれ」

今までにないほどの衝撃が押し寄せる。

冗談でしょう?と目を疑いたくなった。わかった、これは夢なんだ。そう思い、何度も目をこすってみる。

けれど、そこにある輝きと修さんの姿は本物で、インターバルはあったものの現実だということを受け入れざるを得ない。というよりも、諦めに近い感情かもしれない。

修さんは本気なのだ。そうでなければ、ここまでしない。

エンゲージリングが入った箱の内側のロゴは、ブランドに疎い私でも知っているほどの超一流の高級ブランドのものだ。

シルバーのリングの中央に大きなダイヤが埋め込んであり、その両隣に小さなダイヤがあしらわれているかわいくてシンプルなデザイン。

受け取るのをためらってしまうほどの高級感があふれている。