溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜


ドキドキして、恥ずかしくて、温かい。

私がホッとできるのは篠宮先生の腕の中だけ。こうしてそばにいてくれるだけでいい。それだけで強くなれる気がする。

「せ、先生、私」

「もうそろそろ、先生呼びはやめろ」

不機嫌さを含んだ声が降ってきた。おもむろに顔を上げると、子どものようにムッと唇を尖らせる整った顔。

「えっと、じゃあ、篠宮、さん?」

「どうして苗字なんだ」

さらに険しい声が降ってくる。

「修……さん?」

「よし、それでいい」

「ダ、ダメです、恥ずかしい」

ボボボボボッとまるで顔から火でも吹き出しそうな勢いで真っ赤になっていく。下の名前で呼ぶとか、恥ずかしすぎてどうにかなってしまいそうだ。

「ははっ、真っ赤だな。そんなに俺が好きなのか?」

「ち、ちがいますっ」

からかわれて思わず否定してしまった。ちがわないのだけれど、素直にそう言えない。だってだって、篠宮先生……ううん、修さんみたいに簡単に口にはできないよ。

「そんなにムキになって否定されたら傷つくだろ」

「す、すみません。条件反射です」

そう言って恥ずかしさから修さんの胸に額を埋めた瞬間、なにやらおでこに固い箱のようなものが当たった。