溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜


お、お嬢ちゃん……。言われて嬉しいものではないが、それでも悪い気もしない。

店内は薄暗くて顔はよく見えない。それでも、目の前にいるのがスラッとした立ち姿と巻き髪の素敵な女性風の……男性であることはわかる。

篠宮先生と知り合いみたいだけど、いったいどういう関係なのだろう。

「好きな物を頼むといい。リクエストすれば、どんな物でも作ってくれる」

「あ、えっと、じゃあ、なにか甘いカクテルがいいです」

お酒は強い方ではないが弱くもない。さっきのお店では食べることに夢中だったので一杯しか飲んでいない。当然、酔うはずもなく、いい感じにアルコールが入って飲み足りないと思っていたところだ。

「甘いカクテルね、まかせて。あたしは(たく)よ。よろしくね、お嬢ちゃん」

「あ、はい。柚です、よろしくお願いします」

拓さんが下の名前できたものだから、私もつい同じように返してしまった。

「柚ちゃんね。かわいいわ」

うふっと語尾にハートマークでもつきそうなほど満面の笑みを浮かべて、興味深そうに私を見つめる。

拓さんは男性で合ってるんだよね。華奢で細いけど肩幅が広くて胸はないし、声も無理して高くしているような感じ。

花柄のワンピースを着てバッチリメイクをしている姿は、顔だけ見るととてもきれいで私なんかよりも女性らしく華がある。