溺愛求婚〜エリート外科医の庇護欲を煽ってしまいました〜


席はカウンターのみでスツールが等間隔に六脚並んでいる。客はおらず、私たちが第一号客のようだ。

「いらっしゃいませ」

カウンターキッチンの奥で、背が高くて体格のいい女性にキラキラとしたまぶしい笑顔を向けられる。

「どうぞどうぞ、好きなところに座ってちょうだい」

「ああ、失礼するよ」

篠宮先生のあとに続いて小さくなっていると「あら」と私に気づいたその人が目を大きく見開かせる。

「ちょっとちょっと、修ちゃん! 誰よ、この子は」

「うるさい、修ちゃんって言うな」

「あら、口答えする気?」

プンプンと唇を尖らせてわざとらしくスネている。篠宮先生は、お構いなしに私を奥へ座るよう促した。

ど、どうしよう、椅子が高すぎて小柄な私では座るのに手こずってしまう。格闘していると、両脇を抱えられ、身体がフワッと宙に浮く。

「きゃ」

小さく声がもれたが、すぐにストンとスツールに落ち着いた。密着したところが熱くて、顔から火が出そう。

「チビちゃんは大変だな」

「ち、チビって言わないで下さい」

「はいはい、悪かったよ」

私が手こずったスツールにいとも簡単に座ると、肩と肩、膝と膝が触れ合う距離感に驚く。

「仲がよろしいことで。修ちゃんはいつものでいいでしょ? お嬢ちゃんは? なににする?」