『それじゃっ、それまではクリスマス限定ライブを楽しんでねっ!いっくよーっ!!』

ユウナの合図と共に音楽が流れ、二人が歌って踊り出す。
はしゃぎすぎたユウナが何度か躓き転けそうになるのをハルトがフォローしたり、観客席にマイクを向けてくるので会場のみんなで大合唱したりと大盛り上がりで時間はあっという間に過ぎていった。

途中、二人が観客席に下りてきたときにユウナと目が合い気付かれ、ステージに戻ったユウナがハルトに何かを耳打ちしてハルトが驚き目を見開いていたのは気になったけれど、そんなことはすぐに忘れてしまうような楽しい時間だった。

そして、いよいよライブが終わるという時間になると、ステージ上にある特大モニターには同じくライブをしている途中のKaiserの映像が映った。

『Kaiserさーん、こちらShineでーす!只今全てのライブの曲を終えましたけど、そちらはどうですか?』

『お疲れ様、こっちもたった今終わって中継待ちだったところだよ』

和やかにユウナと拓也が話す中、隣に座っている遥は、ヤバい、すごくドキドキしてきた……。と呟いた。
沙弓もランキングの発表の時間が近づくにつれて最近成りを潜めていた緊張がぶり返し、なんとか落ち着こうと胸の前で両手を何度も組み直していた。