「沙弓っ!早く早くっ!!」

「そんなに急がなくても開場までまだ何時間もあるよ?」

クリスマスライブの場所は前に沙弓が行ったライブ会場と一緒だった。
なので遥との待ち合わせは南尾と待ち合わせた場所と同じ駅前にしたのだけれど、違ったのは集合時間で会場時間の七時間も前に集合して急いで会場に向かっていた。

「何言ってんの!急がないと限定グッズ売り切れちゃうじゃないっ!!」

「限定グッズ?」

「そう!今回はクリスマス限定グッズも販売するから絶対競争率激しいのっ!!
て言うか、今更そんなこと聞くなんてこの前のライブではグッズどうしたの?」

「え?売ってるって知らなかったし見に行ってすらなかったけど……」

「信じられないっ!!ありえないっ!!」

手を引かれて小走りで会場に向かいながらそんなことを言う遥に沙弓は苦笑する。

そうして開演時間の大分前についたグッズを売っているスペースでは大行列がすでに成されていたが、遥は欲しかったグッズをしっかりとゲットし、沙弓もユウナとハルトのクリスマス限定キーホルダーを一つだけ買ってライブの開場時間を待つこととなった。