二人を繋ぐ愛の歌

「こんにちは！【多幸】の配達です！」

「沙弓さん！？お手伝い終わったんじゃなかったんですか？」

金曜日の夜に叔母から、また沙弓への指名で配達が入ったと困った声で電話がかかってきたので沙弓は苦笑しながら引き受けた。

土曜日に【多幸】へ行き一ヶ所だけ……ハルトがいる場所だけに配達する弁当を受け取ると沙弓は車を走らせて、最早慣れたセキュリティゲートを通って指定された場所へと行き、ドアをノックして返ってきたユウナの返事を聞いてから元気に挨拶しながら扉を開けると驚いたように目を丸くしたユウナが笑顔で出迎えてくれて沙弓も自然と笑顔になった。

「実は、暫くの間またお手伝いすることになったんです。
なので、またよろしくお願いしますね」

「こちらこそ、よろしくお願いします！」

そう言いながら両手を差し出されたので沙弓はユウナと初めて会ったときの事を思い出して自分も両手を差し出すとユウナはそれを見てまた嬉しそうに笑って両手を繋いだ。