「沙弓?何して……」
「ハ、ハルト……!?ち、違……」
慌てて今の状態を否定しようと思ったけれど、その前にハルトが察してしまったらしくニヤッと口角を上げて笑った。
「へえ?昨日一日中一緒にいたのに、少し離れただけで俺の衣装抱き締めてしまうくらい寂しくなったんだ?」
「だ、だから違う……」
「違わないでしょ。
ほら、素直に言ってごらんよ」
余裕の笑みを浮かべながら近付いてきたハルトに向かって混乱した沙弓は咄嗟に胸に抱いたままだった衣装を投げつけた。
「っ!?」
「ハ……ハルトのバカっ!!」
わざとレインコートが要ることを言わなかったのも、楽しみにしていたライブを最後まで観れなかったのも腹が立つし、大事に衣装を胸に抱いていたのを見られたのは穴があったら入りたいくらいに恥ずかしかった。
そんな感情がごちゃ混ぜになり、沙弓は俯いてハルトにモヤモヤをぶつけるように怒った。
「もう何なの!何がしたいのっ!!楽しみにしてたのにっ!!」
「……ごめん」
怒っている沙弓にハルトは困ったように眉を下げて一歩近付いてきた。
知らないうちに目が潤んでいた沙弓はそのままハルトを睨み付けようとしたが、その前にハルトに抱きすくめられてしまった。
「ライブ、楽しみにしてくれてたのにごめん。
このサプライズのことは事前にちゃんと言うはずだったんだけど……今日このまま沙弓を帰したら南尾を一緒に帰るんだろうなって思って、わざと意地悪した」
「ひ、ひどい……」
「うん、本当にごめん」
ぎゅっと抱き締められてポンポンと背中を叩かれる。
暫くそうされているうちに落ち着いた沙弓は、ハルトに促されてさっきまで座っていた椅子に座らされた。
「ハ、ハルト……!?ち、違……」
慌てて今の状態を否定しようと思ったけれど、その前にハルトが察してしまったらしくニヤッと口角を上げて笑った。
「へえ?昨日一日中一緒にいたのに、少し離れただけで俺の衣装抱き締めてしまうくらい寂しくなったんだ?」
「だ、だから違う……」
「違わないでしょ。
ほら、素直に言ってごらんよ」
余裕の笑みを浮かべながら近付いてきたハルトに向かって混乱した沙弓は咄嗟に胸に抱いたままだった衣装を投げつけた。
「っ!?」
「ハ……ハルトのバカっ!!」
わざとレインコートが要ることを言わなかったのも、楽しみにしていたライブを最後まで観れなかったのも腹が立つし、大事に衣装を胸に抱いていたのを見られたのは穴があったら入りたいくらいに恥ずかしかった。
そんな感情がごちゃ混ぜになり、沙弓は俯いてハルトにモヤモヤをぶつけるように怒った。
「もう何なの!何がしたいのっ!!楽しみにしてたのにっ!!」
「……ごめん」
怒っている沙弓にハルトは困ったように眉を下げて一歩近付いてきた。
知らないうちに目が潤んでいた沙弓はそのままハルトを睨み付けようとしたが、その前にハルトに抱きすくめられてしまった。
「ライブ、楽しみにしてくれてたのにごめん。
このサプライズのことは事前にちゃんと言うはずだったんだけど……今日このまま沙弓を帰したら南尾を一緒に帰るんだろうなって思って、わざと意地悪した」
「ひ、ひどい……」
「うん、本当にごめん」
ぎゅっと抱き締められてポンポンと背中を叩かれる。
暫くそうされているうちに落ち着いた沙弓は、ハルトに促されてさっきまで座っていた椅子に座らされた。



