あっという間に駅につくと男性は沙弓とは逆方向の電車に乗るようで別れの挨拶をしてからいつものホームに向かおうとしたが、男性に呼び止められ足を止めて振り返った。
「君の家はここから近いの?」
「えっと……ごめんなさい、知らない人には教えられません」
いくらなんでも知り合って二回目のよく知らない人にピンポイントでないにしても家の場所のヒントになるようなことを教えるわけにはいかない。
苦笑しながらそう言うと、男性はまた一瞬だけ目を丸くして何故か楽しそうに口角を上げた。
「知らない人……そうか、それもそうだね」
「はい。
では、これで失礼します」
会釈して今度こそ男性から離れようとしたら突然腕を捕まれた。
驚いて振り返ると男性はまだ楽しげに笑みを浮かべていて、そのままゆっくりと口を開いた。
「陽人。
俺の名前、陽人って言うんだ」
「は、はると……?」
「そう、陽向の陽に人って書いて陽人。
これで知らない人じゃないでしょ?」
そう言われて返答に困っていると男性、もとい陽人は、じゃあ、またね。と手を振って去っていった。
「……何だったんだろう……」
あまりにも不思議な雰囲気の陽人に暫く呆然とするも、自分が乗る電車が近付いてきたのに気付き我に返ると慌てて階段を駆け登ったのだった。
「君の家はここから近いの?」
「えっと……ごめんなさい、知らない人には教えられません」
いくらなんでも知り合って二回目のよく知らない人にピンポイントでないにしても家の場所のヒントになるようなことを教えるわけにはいかない。
苦笑しながらそう言うと、男性はまた一瞬だけ目を丸くして何故か楽しそうに口角を上げた。
「知らない人……そうか、それもそうだね」
「はい。
では、これで失礼します」
会釈して今度こそ男性から離れようとしたら突然腕を捕まれた。
驚いて振り返ると男性はまだ楽しげに笑みを浮かべていて、そのままゆっくりと口を開いた。
「陽人。
俺の名前、陽人って言うんだ」
「は、はると……?」
「そう、陽向の陽に人って書いて陽人。
これで知らない人じゃないでしょ?」
そう言われて返答に困っていると男性、もとい陽人は、じゃあ、またね。と手を振って去っていった。
「……何だったんだろう……」
あまりにも不思議な雰囲気の陽人に暫く呆然とするも、自分が乗る電車が近付いてきたのに気付き我に返ると慌てて階段を駆け登ったのだった。



