「アイドルやってて、全国……いや、今や世界中に数えきれないほどのファンがいる俺が一人の人に会うために必死に時間作ってアプローチしてるのに、会社で一番モテてる男に気を持たれることがないって本気で言える?
“私なんかに”って本当に思ってるの?」
「っ!?」
騒がしい居酒屋の中で声を聞き漏らさせないようにか陽人は沙弓の頭だけを抱くと、その耳に言葉を直接届けるかのように囁かれた。
その言葉と耳にかかる吐息に心と体が震え、同時に今はまだ表に出してはいけない感情が出てきてしまいそうになり思わず目を強く瞑ると、それに気付かない陽人はとどめの言葉を囁いた。
「いくら沙弓でも、俺が大切に想ってる人を貶める言い方は許さないよ」
……もう駄目だーー。
沙弓はいつの間にか強張っていた体の力を抜くと陽人に凭れかかった。
そんな沙弓の様子に目を丸くして、頭を抱いていた腕の力を弱めた陽人はそっと顔を覗きこんできた。
「ずるい、陽人……。
あんな言葉、決定的な言葉とどう違うの……」
陽人から真っ直ぐ向けられた想いと言葉に頬を紅潮させ、恥ずかしさも相まって瞳が潤んでしまっているのを自覚しながら文句を言うために睨み付けると陽人は片手で口を覆って微かに頬を赤らめた。
“私なんかに”って本当に思ってるの?」
「っ!?」
騒がしい居酒屋の中で声を聞き漏らさせないようにか陽人は沙弓の頭だけを抱くと、その耳に言葉を直接届けるかのように囁かれた。
その言葉と耳にかかる吐息に心と体が震え、同時に今はまだ表に出してはいけない感情が出てきてしまいそうになり思わず目を強く瞑ると、それに気付かない陽人はとどめの言葉を囁いた。
「いくら沙弓でも、俺が大切に想ってる人を貶める言い方は許さないよ」
……もう駄目だーー。
沙弓はいつの間にか強張っていた体の力を抜くと陽人に凭れかかった。
そんな沙弓の様子に目を丸くして、頭を抱いていた腕の力を弱めた陽人はそっと顔を覗きこんできた。
「ずるい、陽人……。
あんな言葉、決定的な言葉とどう違うの……」
陽人から真っ直ぐ向けられた想いと言葉に頬を紅潮させ、恥ずかしさも相まって瞳が潤んでしまっているのを自覚しながら文句を言うために睨み付けると陽人は片手で口を覆って微かに頬を赤らめた。



